神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

不覚の『ブラック・ウィドウ』

 "三度目の正直”で、ていうか一年越しの願いが叶って、ようやく観賞となった『ブラック・ウィドウ』。2年前の『アベンジャーズ:エンド・ゲーム』以来の、あのパラパラ漫画のようなMCU独特のオープニングマークをスクリーンで拝見して、期待は高まるばかり。しかし、アベンジャーズの中でもしばらくは「峰不二子」的ポジションにいたブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの物語だから、一筋縄でいくはずはない。

 

 

 冒頭から彼女ら4人家族のいきなりの逃避行、というスリリングかつ悲壮感漂うシーンが展開していった。当初、この4人家族は父母兄姉の設定と思って、実に無邪気な妹こそナターシャだと思い込んでしまったが、実際には姉妹で、あまりにもボーイッシュで「兄」だと思い込んでいた子こそ、後のナターシャだったと後で気づいた。しかも、この4人家族はあくまで”役”で、他人の4人が家族を"演じていた”ことも後に判明。要は皆、アメリカ(オハイオ)に送り込まれたロシアのスパイだったのである。

 執拗なS.H.I.E.L.D.の追っ手を振り切り、セスナでキューバまで逃れた"家族”は、そこでバラバラになる。それから時は流れ、21年後の2016年、折しもMCU『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の世界とリンクする。かつてナターシャも送り込まれたロシアのスパイ養成機関・レッドルームは、一時はナターシャの活躍で壊滅したかに見えたが、支配者・ドレイコフによって未だ暗躍を続けていた。このレッドルームとナターシャたちの戦いが物語の中心なんだけど、なんとこの機関で養成された女暗殺者の総称が「ウィドウ」なのだそうだ。世界中の女性をかき集め、適正のある女性を洗脳・養成して刺客に育て上げるなんざ、拙作『電光石火☆八城忍』みたいだが(;^_^A 、屈強の女性戦士を育て上げて意のままに操るドレイコフが、ヒロインアクション的にチョッピリ羨ましかったぞヾ(-д-;)  もっとも、集められた娘たちも適正が無いとみるやたちどころに抹殺されるというのだから、まるで、すがやみつる版漫画『仮面ライダーX 飛べ!イカルス』に登場する「ミノタウロスのラビリントス」(神話怪人改造の適合者を手に入れるために催眠術によって片っ端から人間を誘い込み、適性が無いとみるや生きたままバラバラに粉砕して殺してしまうという殺人迷宮)を彷彿させる"鬼畜ぶり”ではあるけどね(*゚Д゚)

 

 このウィドウたちは、ドレイコフから科学的にコントロールされていて、その生死すら彼に握られている。そんなレッドルームの一員となっていたナターシャの"偽り”の妹・エレーナは、彼女らをドレイコフの呪縛から解き放つ、赤い合成ガスの存在を知り、自身の覚醒と共に、それをナターシャの元へ送り届ける。それによってレッドルームの復活を知ったナターシャは、その壊滅のため、エレーナと再会すると共に、かつての父"役”であった往年のスーパーソルジャー・レッドガーディアンことアレクセイや、母"役”にしてレッドルームの先輩ウィドウことメリーナと合流、"偽りの4人家族”がここに再結集した。

 と、ここまでは、ほぼパンフレット(定価980円と、他のと比べてかなり高価!)の受け売りで書いた。それというのも、不覚にも、前半は睡魔に襲われて、断片的な記憶しかないからだヾ(-д-;)ヾ(-д-;)ヾ(-д-;)  別に物語が退屈だった訳でもなく、ただ単に睡眠不足と昼食を食べ過ぎたのが原因だろう。それにしても2時間以上の尺(133分)が意外と早く終わったな、って感じたくらいだから、結構な量、観そびれている可能性がある。あのCMに何度も登場する、白装束のナターシャの活躍ぶりが記憶にないくらいだから……嗚呼、あまりにも自分が情けない# ゚Д゚)·;’

 そんなわけで、観賞中は4人家族の関係もいまいちわかってないまま、なんとなく「そうなんだろうな」って想像しながら物語をつなぎ合わせて観ることとなった(まあ、その想像は概ね正解だったけど(;^_^A )。だけど、後半発見されたレッドルームのアジト(というにはあまりにも巨大!)に4人が潜入してからは、まさにアクション的にも物語展開(それに伴う”仕掛け”も含み)、実に血湧き肉躍るシーンの連続で、「さすがMCU」と思わせる満足の内容だった。破壊シーンは圧巻の一言に尽きるし、ナターシャの"スーパーヒロイン”ぶりも常軌を逸したすさまじさだった。だって、何回死んでもおかしくない修羅場を見事にかいくぐって行くんだから。

 今回の物語は、彼女が『アベンジャーズ:エンド・ゲーム』で自らの命を地球の人類のために犠牲にする、その前日談である。しかし本作のアヴァンタイトルで、彼女の死は明確に記されている。それを敢えて入れた以上、逆に今後何らかの展開を期待してしまう。ナターシャを演じたスカーレット・ヨハンソンといえば、どうしてもリック・ベンソン監督『LUCY』における、物理の法則すら無視し"神”の領域にさえ挑んだ究極のスーパーヒロインっぷりがまず筆頭に思い浮かぶが、このブラック・ウィドウの"大河ドラマ”的活躍も捨てがたいし……  彼女の遺志は、妹”役”のウィドウ・エレーナに引き継がれるのか、それとも…………

 今後のMCUの動向には目が離せない!