神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「Google」を飾る、特撮を彩った巨匠

 先日(5月31日)に、Googleで検索しようとしたとき、その画面に風変わりな画像(イラスト)が掲載されていた。

 

 

 毎回何かその日付に意味のある画像が載っているのが「Google検索」の特徴だが、そのイラストからはこれが誰の肖像なのか認識できず。まあ楽譜がコラージュされているので、おそらく作曲家か歌手かとは思ったけど。 そこでカーソルを近づけてみると……

 

 

 

いやはや驚いた! 伊福部昭御大ではないか! どうもこの5月31日は、作曲家・伊福部昭氏の生誕日、そしてこの日は「生誕107周年」だったんだそうだ。

 

 驚いたのは、伊福部昭は映画音楽の巨匠とはいえ、まず思いつくのは『ゴジラ』を始めとする(主に)東宝の特撮・怪獣映画の楽曲。こちらからすれば目いっぱい“こっち側の人”なんだけれど、どちらかと言えばマイナーな怪獣映画の作曲者のイメージの強い(と私は認識している)伊福部氏が、いくら誕生日とはいえ天下の「Google検索」のその日の検索画面を飾るなんて、思いもよらなかった。勿論“嬉しい!”という意味で(;^_^A

 

 もっとも氏は、特撮映画のみならず『座頭市』他数多の一般映画の作曲も手掛けているし、東京音大の学長を務めたキャリアもあるので、そっちの方が評価されたのかもしれないけれど、私にとっては、この「伊福部」という珍しい姓はしっかり「東宝特撮」のイメージに繋がるので、これもまた巷における「特撮映画」の認知度の高さなのかな、っていい意味で解釈したよ(;^_^A

 

 それにしても、『ゴジラ』を手掛けた本多猪四郎監督も、圓谷英二特技監督も、田中友幸プロデューサーも、そして伊福部氏も、鬼籍に入って久しい。主演を務めた志村喬、平田明彦、河内桃子もしかり。『ゴジラ』自体、今年で公開から67年が経過した。その9年前は広島・長崎に原子爆弾が投下された年だ。その広島原爆禍の惨状を描いた『ひろしま』の楽曲を担当したのも伊福部氏だ(そしてそのメインテーマは『ゴジラ』における破壊された首都と被災者を描くシーンに流れている)。

 

 あの、どの楽曲を聴いても「これは伊福部氏の楽曲だ」って気づくくらいの、“伊福部節”ともいうべき重厚な曲は、まさに特撮映画を彩るのにふさわしいものだったといえる(大映の『大魔神』シリーズや『鯨神』も含め)。そしてレジェンダリーのモンスターバースシリーズにも敬意を以て流用されるほど。

 

 やはり伊福部昭氏は、日本の「Google検索」の“顔”になるにふさわしい人物といえるだろう。