神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「カナダ」からの「後ろ」からヾ(- -;)

 昨晩(今朝?)の「ヴァイナルミュージック歌謡曲2.0」の冒頭で、「カナダからの手紙」が流れた。言わずと知れた、1970年代後半に爆発的ヒットとなった、平尾昌晃御大(『必殺!』)と畑中葉子によるデュエット曲だ。当時、一弟子に過ぎなかった畑中葉子が、いかにして“先生”とのデュエットデビューの座を勝ち取ったのか……それには様々な“芸能界の裏事情”が絡んでいるんだろうけど(;^_^A そんな憶測はさておき、清純派歌手として華々しいデビューを飾ったはずの彼女が、結婚というプロセスはあったものの、何故いきなり芸能界を引退し、しかも1年も経たないうちに離婚して改めて復帰し、そしてあろうことか日活ロマンポルノに主演するとは……実に激しい振り幅の人生を歩んだものだ。

 

 

 彼女は1980~1981年の間。『愛の白昼夢』『後ろから前から』『モアセクシー・獣のようにもう一度』『セクシー―ぷりん・癖になりそう』といった4作品のロマンポルノに出演している(『徳川の女帝大奥』にも出演しているが、これは「ロッポニカ」のカテゴリーなんで除外)。また復帰シングル曲の「後ろから前から」が下世話な歌詞ながら大ヒットした。曲自体は五月みどりの「熟女B」並みにイロモノ歌謡ながら、サンドラ・ジュリアンの「ジュテームはさよならのはじまり」(『徳川セックス禁止令色情大名』)、梶芽衣子の「恨み節」(『女囚さそり』)・「修羅の花」(『修羅雪姫』)に匹敵する、映画挿入歌としての稀代の女“艶歌”といえるかもしれない。

 

 

 

 ところで、この「後ろから前から」は同名の『後ろから前から』の主題歌と思われがちだが(一応冒頭では流れるが)、初出はその前作(彼女のロマンポルノデビュー作)『愛の白昼夢』である。それにしても、曲のヒットから同名の作品が制作されるなんて、渡哲也の『東京流れ者』や一連の裕次郎映画を彷彿させる。アクションからロマンポルノに、その作風は変わっても、同じ日活(にっかつ)なだけに、やってることは一緒なんだなぁ(;^_^A

 

 

 ちなみに、平仮名表記の「にっかつ」にロマンポルノのイメージが付きまとうが、確か漢字表記の「日活」がいつの間にかロマンポルノの代名詞のようになってしまったから、その雰囲気を変えるために「にっかつ」に変えた、って記事を、当時スポーツ紙の三面記事で読んだ記憶がある。そしてその頃、一般映画も数本とっていたものの、「にっかつ」名義でのロマンポルノ作品も引き続き量産したため、逆に「にっかつ」の方が「日活」以上にロマンポルノの代名詞になっていったようだ。まあ、別にどうでもいい話だけどね(;^_^A