神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

結婚相談所と『AGAPE』の愛と

 このネタは以前も書いたと思うけど………もうかれこれ15年くらい前に、『AGAPE』という映画を撮った。

 

 

 主人公の若い男性教師は、突如不治の病に侵されてしまい、余命半年と診断される。すると主人公はすぐに学校を休職し、あろうことか結婚相談所の会員に登録する。まだ独身だった彼は、残り少ない人生において最高の伴侶を探し出し、幸福に包まれたまま生涯を全うしようと考えたからだ。しかし、そんな彼の邪な気持ちを知ってか知らずか、見合い話は悉く破談する。度重なる失恋にそろそろ彼の気持ちも折れそうになった時、とある女性を紹介される。

 

 半信半疑のまま待ち合わせ場所にやってきた彼は、そこで出会った女性に、今までとは違う特別の感情を抱く。彼女もまた、彼に対して明らかな好意を抱いている模様。そこから、二人は度々デートを重ね、お互いの感情を高め合っていく。この子との出会いによって、残りの人生を幸福に包まれたまま終えられると期待する彼だったが、そのことを彼の病状を知る姉に報告したところ、「相手を不幸にしていいの!」と諭され、はたと気づく。確かに自分はいいだおる。しかし自分の病状を知らない彼女は自分の死後どんな不幸にさいなまれるだろう……

 

 そのことを考えると、彼女とのデート中でも彼の心は上の空。そんな姿の彼に、何も知らない彼女は不信感を抱き始め………というのがこの映画の主なストーリーだ。まさに「相手を愛すれば愛するほど離れなければいけない」という、愛のパラドックスを描き出そうとした。タイトルの『AGAPE』とは「エロス」と相反する“自己犠牲の愛”のことである。

 

 雰囲気的には、公開の時期も相まって、図らずも「韓流映画」っぽいノリに仕上がってしまった。この時、一気に「韓流風」映画にシフトする機会でもあったんだけど、その後しばらくブランクの時期を迎えてしまい、結局その3年後、『天使諜報★神宮寺真琴~狙われた生徒会長~』を制作し、以後今日に至るまで「韓流」どころか「広島発ヒロインアクションムービー」シリーズを連綿と撮り続けることになった。

 

 今、久々に“ファンタジー”系作品にシフトしよう思っているところなんだけど、再びこんな“非アクション”のメロドラマを撮ることが出来るかなぁ?

 

 ということで、今日1月27日は「求婚の日」なんだそうだ。