神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

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天地真理 ~我が“アイドルデビュー”の一枚~

 CS歌謡ポップスチャンネルでは、初放映か再放映かはしれないが、ここ最近継続して「70年代」と「80年代」に特化した「アイドルソングベストテン」シリーズが続いている、。それで今回、「70年代アイドル」として登場したのは「天地真理」だった。

 思い起こせばまだ小学生の頃、一つの歌謡曲に興味を惹かれたことがあった。既に歌謡曲のシングルレコードとしては、尾崎紀世彦の「ゴッドファーザー・愛のテーマ」を持っていたが、今回は女性の歌。歌うは天地真理という歌手。しかもそのタイトルは知らず、ただ「あなたを待つの~テニスコート~♪」という歌詞しか手掛かりがない。そこで、町内のレコード店にいって、先のフレーズを諳んじてみたところ、店員の人が持ってきてくれたのが、「恋する夏の日」というタイトルのシングルレコード。奇しくもこのレコードが、私にとって「女性アイドル歌謡曲購入㐧一号」となったのであった(;^_^A

 

 

 

 当時、小学生の間でも、天地真理人気が席巻していた。それに倒するやっかみからか、「実は天地真理は整形してる」云々のゴシップを執拗にいい続ける者がいたり、学年に彼女と一時しか名前が違わない子をからかう輩がいたりと、いろんな意味で天地真理は当時の小学生にも影響を与えたアイドルだった。

 

 その容姿から、作り物のお人形のような雰囲気の典型的なアイドルと思っていたが、実は彼女、國立音大付属高校でピアノや声楽を先行した、しっかり音楽的バックボーンを備えた人だったと、今回の「70年代アイドルソングベストテン 天地真理」の中で字幕で語られる“蘊蓄”で初めて知ることが出来た。また、梶原一騎原作による往年の熱血学園ドラマ『太陽の恋人』で、吉沢京子演じるヒロインの名が「天地真理」だったので、このドラマのスタッフがアイドルの天地真理人気にあやかって命名したのかと思いきや、実は、逆に『太陽の恋人』の天地真理の名を新人アイドルに使わせてほしいと、所属する渡辺プロダクション梶原一騎に打診した、というのが真相らしい。

 

こちらが『太陽の恋人』に登場する「天地真理」(吉沢京子

 

 今回の番組で取り上げられた楽曲は、上記の「恋する夏の日」以外にも、「水色の恋」「ちいさな恋」「ひとりじゃないの」「虹をわたって」「ふたりの日曜日」「若葉のささやき」と、今でも口ずさむことの出来る曲ばかり。ある種80年代の松田聖子に匹敵するヒットぶりだったといっていい。当時は南沙織小柳ルミ子と共に「3人娘」と呼ばれたそうだが、そのアイドル性や若年層へのウケを考えたら、天地真理は別格の存在だったといえるのかもしれない。私も結局購入したシングルは件の「恋する夏の日」だけだったが、アイドルというか女性としてファンになったのは彼女が最初だった。それ故、後年低迷してロマンポルノにまで手を染めたことを思うにつけ、ポルノそのものを否定するつもりはないが、彼女の絵にかいたような清純アイドルの姿を思い起こすにつけ、何とも寂しい思いがしたものだった。

 

 今思えば、まさに麻丘めぐみ以上に、型にはまった“去勢”された典型的な“アイドル”だったと思う。それ故、たとえ「昭和の徒花」になろうとも、永遠の“白雪姫”マリちゃんでいてほしかったと、往年のファンは思うのであった………(;^_^A