神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“リアル『復活の日』”への危惧

  新型コロナウイルスの猛威にされらせてから、かれこれ1年近く経つ。この間ニュースなどの報道で「新型コロナ」の言葉が躍らない日はなく、毎朝出勤時に聴く文化放送(JOQR)の「日本全国8時です」も、何かしらの“力”が作用してか、毎回決まって新型コロナウイルスネタばかり聴かされる。非常時とわかってはいるものの、メディア挙げての「コロナ」連呼で、もう耳にタコが出来そうだ。いっそ今年の「流行語大賞」も変に気取らず、ストレートに「新型コロナウイルス」にすればいいし、「今年の漢字」もウイルスの和訳である「病毒」から取って「病」か「毒」にすればいい。「ウィズコロナ」だの「ソウシャルディスタンス」だの、わかりにくい和製英語でなくていい。

 

 さて、このウイルスが世界規模で猛威を振るった場合の最悪のケースを描いたのが、“日本SFの父”こと小松左京原作の『復活の日』であり、深作欣二監督によるその映画化作品だ。これについては、今回の新型コロナウイルスの猛威なんて予想もつかなかった2016年12月10日、ブログにしたためたことがあった。

 


 そのブログの中で、本作で描かれているMM-88病原体の蔓延とそれによる人類滅亡のプロセスについて、

 

 この作品で起こりうる事態は、「僅か1年ちょっとで日本列島が水没する」という『日本沈没』の荒唐無稽さから考えたらまだ可能性は感じるが、それでも非現実的なドラマと言わざるを得ない。

 

 と、当時このように感想を述べていたが、今にして思えば、それから4年後に、決して「非現実的なドラマ」って言いきれない事態が起ころうとは、夢にも思わなかった。中国・武漢で新型ウイルスが猛威を振るっている、というニュース記事に触れた時もしかり。それから数カ月で、かの「MM-88病原体」が人類を滅ぼす『復活の日』の世界を、決して「絵空事」と思えなくなるとは……あの野戦病院と化した日本の各病院の修羅場のシーンが、明日の日本で現実に起こるのではないか、という不安を本当に抱くようになろうとは……

 

 

 政府は火消しに奔走しているようだが、現状は恐れていた“第3波”の可能性が高い。どことなく不安が慢性化して、それ故恐怖よりも不満の方が膨らみ始めていたが、これから感染リスクの高い乾燥して気温が下がる冬に向けて、精一杯の備えをしていかなければならないだろう。それこそ“リアル”『復活の日』にならないように…………