神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『劇場映画観賞』という選択肢が奪われかねない恐怖

 新型コロナウイルス禍がなければ、2020年の幕開けと共に、続々とハリウッドから上陸するはずだった、あまたのヒロインアクションムービー。うち、『チャーリーズ・エンジェル』と『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』はすんでのところで上映が叶ったが、『ANNA/アナ』は3か月遅れの7月31日(広島では)、『ブラック・ウィドウ』と『ワンダーウーマン1984』にいたっては、ロクに上映のめども立っていない。

 

 そんな中、ディズニー資本の『ムーラン』だけは、ようやく「近日公開」から「9月4日」と明確な日程が発表され、これで「月に一度は劇場映画観賞」9月のラインナップは決まった、と胸をなでおろした……って気になっていた。しかし、突如として以下のような衝撃的なニュースが飛び込んできた!( ゚Д゚)

 

 映画「ムーラン」がDisney+で9月4日配信。劇場公開取りやめ
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1272396.html

 

 記事によると、ディズニーは全世界で『ムーラン』の劇場公開を取りやめ、動画配信サービスのみで公開することを決定したそうだ。しかも視聴には、Disney+の会員料(月額700円・初月無料)に加え、プレミアアクセスとして2,980円の追加料金が必要とのこと。たとえ期間内は何度でも観賞できるとはいえ、劇場での入場料の相場が1,800円として、これはとんでもない額だ。それこそ通常版のセルDVDに匹敵する値段じゃないか!

 

 そもそも、まだ新型コロナ禍は続いているものの、劇場の創意工夫によって、徐々に映画観賞が回復し始めているのに、この判断って何だろう。別にネット動画配信がいけないとは思っていないが、劇場公開が不可能でもないのに、配信のみで他の選択を許さないというのはいかがなものだろうか。

 

 ケチなことを書けば、劇場観賞の6分の1の値段だからレンタルDVDのテレビ観賞でも我慢できるわけで、それよりも高い金額でスマホやPCやテレビでしか鑑賞できないなんて、ちょっと考えられない。しかも、『スターウォーズ:スカイウォーカーの夜明け』のDVDレンタルすら始めていないディズニーのこと、下手をすれば、今後自社作品をディスクも販売せずに有料ネット配信オンリーにすることだって考えられる。また、シネコンの台頭が示すように、かつての「ブロックブッキング」制度が半ば崩壊している邦画界でも、安易にコストパフォーマンスに走って、ディズニーに追随するかもしれない。もしそうなったら、日本の映画館は生き残れない。

 

 今回の『ムーラン』に関しては、すでに前売り券を販売しているものの、それを払い戻してでも、非劇場を貫くようだ。そこまで性急にことを進める必要があったのか? それともこの一件は、新型コロナ禍の隠れ蓑にした、周到な計画だったのか。

 

 そういえば、広島バルト11に掲げられていた巨大ポスターの公開日が「9月4日」から最近になって「近日公開」に戻っていたけど、まさかと思ったがこういうことだったのか……(`Д´)   そんなわけで、もしかしたら『ムーラン』は観賞できないままで終わってしまうかもしれないが、折角昨年度から劇場映画観賞を続けてきたのに、今後期待の作品がきちんと映画館でかけられるか否かをいちいち心配し、気をもまなければいけない時代が来るなんて、正直なところご免こうむりたい!

 

 『ブラック・ウィドウ』や『ワンダーウーマン1984』は本当に大丈夫か……!?

 

今となってはたちの悪い冗談にしかならない“IMAX”上映を示唆する『ムーラン』のポスター

 

ディズニーは、映画「ムーラン」の劇場公開を取りやめ、9月4日より動画配信サービス「Disney+」にて独占配信を行なう。視聴には、Disney+の会員料(月額700円・初月無料)に加え、プレミアアクセスとして2,980円の追加料金が必要。配信仕様は、映像がフルHD(1,920×1,080)で、音声が2ch。英語・日本語の音声/字幕を用意する。

映画「ムーラン」は、1998年に公開された同名アニメーションを実写化したもので、病弱な父に代わり、男性のふりをして帝国軍に加わることになった少女ムーランの成長と冒険を描くファンタジー・アドベンチャー

当初2020年4月17日の公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて公開を延期。その後、新たな公開日を設定するも延期を繰り返していた。最終的に、日本での劇場公開を断念し、Disney+でのプレミアアクセス提供を実施することとなった。

プレミアアクセスは、従来の購入、もしくはレンタルとは異なるサービスで、Disney+の会員である限り、何度でも、好きなデバイスで視聴できるサービス形態。iOS/Androidからはダウンロードも可能。ダウンロードの有効期間は72時間だが、それを超えた場合でも再度ダウンロードすることで何度でも利用可能という。

配信は9月4日を予定しており、開始時間は未定。視聴には、Disney+会員であることに加え、プレミアアクセス料金2,980円の追加支払いが必要。支払いはd払いのみ。モバイルアプリやテレビからは支払い不可で、ディズニー公式サイトから支払い手続きを行なう。

同時視聴可能は2台まで。配信される画質はフルHD/1,920×1,080で、音声は2ch。英語・日本語の音声と字幕を用意する。

なお、本作の劇場前売り券は返金扱いとなり、劇場窓口やムビチケオンライン、メイジャー公式サイト、プレイガイドなど、前売り券の購入場所にて2020年10月31日までに返金の対応を行なう。詳細は公式ホームページを参照のこと。