神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「セーラー服は学園の戦闘服である」ことを検証してみた(;^_^A

 待望の、日本映画専門チャンネル「プレイバック!アイドル黄金時代~80年代アイドル映画Collection~」がいよいよスタートし、その口火を切って、去る3日に南野陽子主演の『スケバン刑事』が放映された。あいにく私は8日朝の回を観たんだけれど、改めて1980年代のあの空気感が甦って、至福の時間を過ごすことが出来たよ。80年代の雰囲気自体は、CSで流れる数多の同時代のドラマ・時代劇で十分味わえるんだけれど、やはりヒロインアクションで感じる時代感はまた格別だ(;^_^A 

 

 

 ところで、今回観賞して、今更ながら思ったことがある。物語は既に「二代目スケバン刑事」の任を解かれ、素の“早乙女志織”に戻っていたサキ(南野陽子)が、「地獄城」の存在を知り、そこに拉致されている多くの高校生を救うため、やっと手に入れた平穏な生活を捨て、再び戦いの世界に舞い戻るという設定で、前半の彼女や友人の“ビー玉”お京(相楽ハル子)や雪乃(吉沢秋絵)は皆私服姿で登場する。

 

 それが、いよいよチームを再結成して「地獄城」に乗り込むことになり、他校のスケバンたちを仲間に引き入れるべく待ち合わせ場所の採石場(と思しき空き地)に向かったところで、「地獄城」校長・服部(伊武雅刀)が差し向けたヘリコプターから銃撃を喰らい、ここから本作の戦闘シーンが始まるんだけれど、そのシーンから、彼女らはセーラー服に身を包んでいる。そこに助っ人参戦する3代目スケバン刑事の風間唯(浅香唯)はいきなりのセーラー服姿。結局参戦は叶わなかったが、そこに集合した他校のスケバンたちもみなセーラー服。このシーンでは、伝説の「ヨーヨーでヘリを爆破」が登場するんだけど、それよりも、要は戦闘が始まった(始まる)ところで、ヒロインたちは皆セーラー服姿になっているということ。実は、拉致された兄を救うべく戦いに加わる加藤めぐみ小林亜也子)も登場時に一応制服姿を披露するが、それは一般的なブレザー姿。それが件の採石場にシーンからいきなりセーラー服姿に代わるのである。これってわざわざ着替えたとしか考えられない。そして、この5人が「地獄城」に向かう場面では、皆セーラー服に赤いリュックと、まるでどこぞの女子高の登校シーンのような出で立ちで乗り込んでいくのである。

 

 

 「セーラー服は学園の戦闘服だ」ってフレーズは、確か初代『スケバン刑事』の頃からささやかれるようになったと記憶している。しかし、東映製作ということからも、中曽根千治プロデューサーが俗にいう「東映ズベ公映画」の現場体験者ということからも、やはりこれは『恐怖女子高校』シリーズから連綿と続く不良性や暴力性の流れの先にあると考えていたので、「セーラー服=戦闘服」という考えの根源は「ズベ公映画」にありと考えていた。それが、今回の劇場版『スケバン刑事』では、まさにアクションヒーローが戦闘時に戦闘服に着替えるように、彼女らはバトルフィールドに赴くために、敢えてセーラー服に身を包むのである。特にドラマでは日常の制服でそのまま戦っていたから気にはならなかったが、本作では、戦いに臨むまでは誰一人セーラー服なんて来ていない。だから明らかに、制作者はセーラー服を戦闘服として取り扱っている。『セーラー服反逆同盟』で4人が“白いセーラー服”で戦闘に臨むように、そして『こんな学園みたことない!』で一条寺さやか先生が黒ずくめの衣装で戦闘に臨むように………

 

 図らずも劇場版『スケバン刑事』は、セーラー服が戦闘服であることを内外に知らしめす、画期的な作品だったといえるのかもしれない。もっとも、それはそうとして、セーラー服自体がアクションに向いているコスチュームかどうかは、様々な意見があろうと思うが………(;^_^A