『シューリンクス』
先日、来る8月29日に開催される「ひろしま映像ショーケーズ」について書書きましたが、今日はこのイベント(事業)に出品する当方の作品『シューリンクス』について紹介します。
『シューリンクス』(1991) (8mmfilm)
フル−ト少女の姿を通して平和の意味を見つめた物哀しい物語
女子大生の聖子(山口)は、ただ今フルートの修行中。今日も彼氏の真(成智)をお供に、“広島のセントラルパーク”こと平和公園で、祖父から入学祝いに貰った、慣れない楽器を相手に悪戦苦闘中!
そんなある日、彼女は不思議な夢を見た……砂浜をフルートを手にして歩き、「ショウコ……ショウコ……」と自分の名を呼ぶ、制服姿の少女の夢だ。だが、それは夢ではなかった! やがて、夢の中の娘・笙子(しょうこ・北村)は、聖子の目の前に現れたのである。フルートにやたら詳しく、屈託のない笑顔の中に、どこか蔭を感じる、そんな笙子の指導によって、徐々にフルートの腕を上げていく聖子。一方、彼女をフルートに奪われてしまった形の真は、彼の姿を見るに見かねた妹のいづみ(井上)の助言で、自分もフルートの練習を始めてみることになった。その頃、聖子と笙子は、些細なことが原因で喧嘩別れしてしまう。すれ違う3人の若者たち…………
アジア競技大会を間近に控え、建設ラッシュに沸く90年代前半の広島市を舞台に展開する物哀しい物語。謎のフルート少女・笙子の姿を通して平和の意味・乱開発の問題について問う、団体処女作「いつも見ていたヒロシマ」に次ぐ原爆テーマの作品となった。タイトルの“シューリンクス”とは、牧羊神パーンに追われて、ひとむらの葦に姿を変えた、ギリシャ神話の哀しき女神の名である。
・第13回市民文芸作品募集(文芸ひろしま)シナリオ部門二席(脚本)
○出演:山口貴子・北村くみ子・成智秀吉・井上千代子 ほか 他
○監督:胤森 淳
※以上、イチヱンポッポフィルムHPより抜粋
県外の大学を卒業して広島に帰って以来、「ヒロシマ」を見つめ直すようになり、また大林宣彦監督の影響でリリカルなファンタジーの大変興味を持っていたので、その融合を図り、且つ当時開催に疑問を投げかけていた「アジア競技大会」への自分なりの思いを織り交ぜて制作した映画でした。流石に四半世紀以上も前の作品ゆえ、今観直すと若干気恥ずかしい思いに駆られたりしますが(;^_^A、今よりはずっと映画に対して真摯だった当時の気概が思い起こされて、今も「初心忘れべからず」を痛感させられる作品でもあります。
懐かしのロケスチール(;^_^A
今と比べても、映画創りがうんと大変だったフィルム撮影時代を思い起こさせる作品です。宜しかったら是非「ひろしま映像ショーケーズ」へ足をお運びくださいm(_ _)m
「ひろしま映像ショーケース2020〜広島発!インディーズムービー〜」
日時 2020年8月29日(土)14:00〜18:30
場所 広島市映像文化ライブラリー
入場無料 (84席)
上映作品
「かわひらこ」(67分)
「シューリンクス」(50分)
※アジア競技大会前夜の1991年の広島を舞台に、1本のフルートを巡って2人の”ショウコ”が織りなす、時空を超えたファンタジー。今回も往年の8ミリフィルムテレシネ公開。
「おはぎ」(54分)
「Lost of the memorial nuked Tile」(40分)
※10:30~14:00までは学生作品を上映
※詳細はこちらから
http://www.cf.city.hiroshima.jp/eizou/calendarNext.html?id=showcase