“こまっしゃくれた”特撮界のプリンセス
先日の『猿の軍団』のネタの中で、泉先生こと徳永れい子とヒロイン2枚看板を張っていたのが、ユリカ役の斉藤浩子である。
当時のTV特撮ドラマ大盛況の時代を知っているものならば、その名前は知らぬとも、この顔、そして子役離れした演技力には見覚えがあるだろう。

彼女は『猿の軍団』のみならず、当時の多くの特撮ドラマで活躍していた名子役で、主立ったフィルムグラフィーを挙げるだけでも『仮面ライダー(初代)』『仮面ライダーV3』『仮面ライダーX』『好き!すき!!魔女先生』『超人バロム1』『変身忍者嵐』『人造人間キカイダー』『キカイダー01』『イナズマン』『快傑ズバット』『スターウルフ』『スパイダーマン(東映)』etcと枚挙に暇がない。東映の歴代の特撮ドラマにほぼ満遍なく出演している、といっても過言ではない。当時を思い起こしても、「なんだこいつ、また出てら」って子供心ながら感じていたことを覚えている。
この役者の印象が強いのは、その演技力につきる。とにかく子役にしては変にしっかりしていて、俗にいう“こまっしゃくれた”役者として映ったからこそ、いろんな意味で印象深かったのだろう。今思っても、とても子役とは思えない、堂々とした立ち居振る舞いだったと思う。

そんな斉藤浩子嬢が出演した最後の特撮ドラマが『ウルトラマン80』の「美しきチャレンジャー」。UGM入隊を目指す女性候補生役だったが、当時、石田えりの巷での売れっ子ぶりを知らなかった私には、貫禄の面で後輩役の斉藤浩子に叶わないだろう、なんて思ったものだ。すでに“子役”から脱皮してもその芸風は変わらない(むしろ演技力に実年齢が追いついた?)斉藤浩子嬢の活躍は、観ていて嬉しかった(それはそうと、そんな斉藤浩子嬢を持ってしても入隊が叶わなかったUGMに、ほんの行きずりの星涼子=萩原佐代子がわけなく入れたのは何故だろう……? 笑)。
