現場はいつも“レディホーク”
クランクイン日の状況を報告する前に、触れておきたいのが日程調整のこと。
前述のように、今回の現場もキャストが多い上に、一度の撮影に大勢の人数が出演するシーンも多く、また個々に公演を抱えているという事態もあって、なかなか日程調整が上手く行かなかった。
そんな中で、何とか3月21・22の両日に日程を決めたものの、ギリギリのところで、21日だけしか来られないキャストと逆に22日しか来られないキャストに分かれてしまった。しかもこのメンバー(計3人)は、同一シーンに登場しなくてはならない! 普通ならばロケ日程自体を換えてしまえばいいのだが、生憎ロケ地の都合でそうもいかない。しかもこの状況は今後とも続きそうだったので、結局クランクインを強行することとなった。
そんなことで本当に撮影できるのか、と思われる方もいらっしゃるとは思うが、そこはそれ、“映画の魔術”によって可能なのである。もっともこの手段はよほど切羽詰まったときにしかするべきではない、乱発御法度の禁じ手ではあるのだが……
このように今回の現場も今まで以上に“レディホーク”な状態で(『レディホーク』についてはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AFを参照下さい)、厳しい調整を迫られたが、そこを何とかするのがボランティアメンバーに支えられたインディーズムービーの醍醐味でもある。
そうやって調整の傍ら、小道具の調達、絵コンテの作成といった準備に忙殺されながら、ロケまでの日程は瞬く間に過ぎ去っていった。主人公・真琴の衣装合わせもロケ前日の20日夜! それでもクランクイン当日は容赦なくやってきた……(続く)