神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

#映画レビュー

『マンハント』 ~ジョン・ウー監督が描いた「角川」映画~

昨晩CSでジョン・ウー監督の『マンハント』を視聴。今回が初見だったんだけど、観終わった率直な感想は「何! 何! 凄んげぇ面白いジャン!!」って思い。ジョン・ウー監督と言えば、『男たちの挽歌(英雄本色)』シリーズがお気に入りなんだけど(特に『Ⅱ…

『天気の子』~作家性と娯楽性との狭間で~

いうまでもなく、新海誠監督の『君の名は』は、日本アニメ界はおろか、邦画界に燦然と輝く“奇跡”のような傑作である。今改めてそう思っている………その新海監督が『君の名は』から3年の月日を経て、遂に待望の次回作を発表した。タイトルは『天気の子』。前作…

『アントマン&ワスプ』~究極の予定調和なハッピーエンドの果てに~

『アントマン&ワスプ』を観てまず思ったのは、「これってヒロイン活劇じゃん」ってこと。確かに主人公であるアントマンことスコット・ラングは大活躍するけれど、メインキャラは、「アントマンスーツ」を開発したピム博士の娘ことホープが“変身”する2代目…

『アントマン』~ほのぼのドラマを凌駕する「量子世界」~

大昔、アニメ(当時は「テレビまんが」)の主題歌に「アンアンアンアン~アア~ンアン~♪」なんてのがあったけど、これは1966年頃に放映されたアメリカのアニメ『怪力アント』のOP(歌タイトルの方は「鉄腕アント」)で、その続きは「ア~ントア~ント蟻ん…

『ドクター・ストレンジ』 ~サイケでカオスで予定調和で~

恥ずかしながら、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品群の中でも、この『ドクター・ストレンジ』は全くのノーマークだった。何故ならタイトルに「ドクター(医者)」の冠があり、そのイメージからとても「アイアンマン」や「ハルク」や「キ…

『キャプテン・アメリカ』はMCU版『ガス人間第一号』?

全身がアメリカ国旗を模したようなコスチュームを身に纏い、超人的パワーで第二次大戦下のヨーロッパ戦線に殴り込みをかける……そんな「アメリカ万歳」を画に描いたようなキャラクター、それが「キャプテン・アメリカ」に抱いていたイメージだ。『アベンジャ…

「ドブネズミが死んでも悲しむのは蚤だけだ!」

昨日の『アラジン』のレビューで書き漏らしたけど、この作品の中で一番気に入ったのが、冒頭(確か)アグラバーの衛兵がアラジンに言い放った 「ドブネズミが死んでも悲しむのは蚤だけだ!」 ってセリフ。なんてクールなんだ!! いつか自作の映画に使ってみ…

『アラジン』

ディズニー映画にはあまり興味がない。厳密に言えば『アベンジャーズ』を筆頭に「MCU」の作品群も今やディズニー資本の映画になっているけれど、ここではあくまでディズニーアニメや、その実写版リメイクのことである。だから、“家族サービス”で観るぐら…

『火の鳥』~カタルシスなき超大作~

1978年に公開された実写版の『火の鳥』(市川崑監督)をCSでようやく観賞。とはいうものの、既にうんと前地上波で観たことがあるので、最後まで観賞したのが初めてっていうこと。それにしても全編2時間17分てのは、いささか尺が長すぎたかな…… 脚本が谷川俊…

『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』 圧巻の「カマキラス」操演!

かの名作漫画・アニメの『じゃりん子チエ』の主人公・竹本チエが、母親と初めて観に行った映画が確か『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』だったと記憶している。実は私の映画館デビューもこの『ゴジラの息子』でして……妙なところで共通点がある訳なんだけど(;^_^A…

『キングコング対ゴジラ』の笑えない「チャンピオンまつり版」

「東宝チャンピオンまつり版ゴジラ全7作品一挙放送!!」の末尾を飾ったのが『キングコング対ゴジラ』(以下『キンゴジ』)。今まではオリジナルを“神懸かり的”な編集技術で、物語世界を損なわないまま、大幅な尺のカット(『キングコングの逆襲』に至っては…

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 ~『怪獣総進撃』?「ファイナルウォーズ』??

遂に世界同時公開となった『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』。早や封切から2週目に突入したが、幸運にも丁度一週間前になる公開2日目の1日に観賞が叶った。初見の印象は、事前に公表されていた登場怪獣「ゴジラ」「モスラ」「ラドン」「キングギドラ…

映画『いぬやしき』に求めたかったこと

『いぬやしき』を日本映画専門チャンネルでようやく観た。この映画、シネコンのモニュメントでもTVCMでも大々的に宣伝していて、しかも主演が木梨憲武と佐藤健、さらにヒロインの一人に我らが二階堂ふみも出演とあって、鉄板でヒットと思いきや、大コケした…

『電送人間』に観る往年のスターの佇まい

これも『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の余波か、日本映画専門チャンネルの「鶴田浩二劇場」も、今月は何と往年の東宝特撮『電送人間』(福田純監督)ときたから驚きだΣ(゚д゚;) 以前は「よくこんなB級特撮にあんな見栄っ張りの鶴田浩二が出演したモン…

検証!『黄金の犬』

今CSでは鶴田浩二の作品を集中放映している。そのおかげで以前岡本喜八監督の『暗黒街の顔役』を観賞できた訳なんだけれど、そろそろネタがつき始めたのか、来週は何と同枠で『電送人間』(福田純監督)まで流すんだそうだΣ(゚д゚;) そんなわけで『黄金の犬…

『暗黒街の顔役』 東宝特撮と喜八マジックの狭間で

かねてより録画していた『暗黒街の顔役』(1959 東宝)をようやく観賞。 この『暗黒街の顔役』の存在を知ったのは、意外にも『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』サントラのライナーノーツから。「作曲 伊福部昭」としながら、書き下ろしの曲は全くなく、全て…

『シュガー・ラッシュ:オンライン』③~遊び心はこうじゃなくっちゃ!~

(※先日https://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/29829991.htmlの続きです) ところで、この『シュガー・ラッシュ:オンライン』では、遊び心というか、キャラクターや声優の起用に、「おおっ!」と唸らせてくれるところがあったよ(;^_^A やはりディズ…

『シュガー・ラッシュ:オンライン』②~カタルシスの行方~

(※先日https://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/29828689.htmlの続きです) ゲーム「シュガー・ラッシュ」の“住人”であったヴァネロペは、マンネリ化したゲーム世界の中で、常に刺激を求めていた。そんなところが、日々安定した“いつも通り”の生活を望…

『シュガー・ラッシュ:オンライン』①~可視化されたインターネット世界~

最近、レンタルで最新作版(“ロック様”主演!)の『ジュマンジ』を観た娘たちが、「ゲームの中に入って冒険する物語」にえらく興味を持ったようで、そんな訳で、格好の作品として彼女らがチョイスしたのが『シュガー・ラッシュ:オンライン』だった。無難で …

『幻の湖』遂に観た!

2019年如月初日に、遂に観てしまったよ、『幻の湖』!! まずは“観ることが叶った”ことに感激! だって封切時に大コケして以来、文字通り“幻”の封印作品だったんだもの……もっとも数年前にDVD化はされていたみたいだけどね(;^_^A 本作で主演を射止めた南條玲…

『日本のいちばん長い日』

先日、2015年版の『日本のいちばん長い日』(原田眞人監督)を観賞。私にとっては、岡本喜八監督の1967年版のダイナミックさに圧倒されて、以後断然支持していただけに、この原田眞人監督版を観るのは今まで躊躇していたんだけれど、そこはCATVの便利な…

『人間の証明』と『探偵物語』のラストシーン

今日、CSで大好きな『人間の証明』が放映されていたので後半ながらじっくり観賞した。そこでかの有名なラストシーンである、ジョージ・ケネディ演じるケン・シュフタン刑事が、黒人男性に視察される場面を再見した際、ふとあることに思い当たった。 もしか…

『レイズ・ザ・タイタニック』~“失われた航海”からの帰結~

豪華客船タイタニック号の悲劇はあまりにも有名で、デビット・ジャンセン主演の『失われた航海』や、近年のメガヒット『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン監督)など、「タイタニック号」を取り扱った映画・ドラマは枚挙に暇がないが、どのように描こ…

『スペースバンパイア』 豪華絢爛なB級SFムービー

正月早々、CSのFOXムービーは何と『スペースバンパイア』を放映していた! 確かにクライマックスのゾンビが集団で大騒ぎするシーンはある種「祭り」なんだけど、寄りにも寄って正月とは……(;^_^A それにしても、トビ・フーパー、ダン・オバノン、ジョン…

『BLACKJACK 瞳の中の訪問者』~"映像の魔術師"の「デコレーションケーキ」~

かつて、かの加山雄三が「ブラックジャック」を演じる連続テレビドラマでタイトルもズバリ『加山雄三のブラック・ジャック』ってのがあって、加山雄三が本当にあのブラックジャックのメイクで登場していた(もっとも、時として顔に傷がない姿でも登城する“ズ…

『ツンツン節だよ全員集合!!』~倍賞美津子のコブラツイスト~

BS11の「昭和喜劇シリーズ」で、松竹の『全員集合!!』シリーズが放映されている。確か公開当時は『男はつらいよ』の併映作品だったと思うが、昔のことなんで劇場公開は叶わず、専らテレビで放映されるのを観ていた。このシリーズはテレビの『8時だョ全員…

『Boys Don’t Cry』

昨日の24日に映画『Boys Don’t Cry』(堀内博志監督)を観賞。この作品は元々「キャストサイズチャンネル」(ニコニコ動画内)での配信用に制作された映画だが、オール広島ロケということで、広島サイドの有志が企画して、この度広島限定で上映会が開催され…

『人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊』の理不尽さ

現在CSの日本映画専門チャンネルでは「鶴田浩二」特集なんだそうで、その余波で幾度となく東映映画『人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊』がリピート放映されている。私は、戦争映画でありながら将兵の人命救助(撤収作戦)に奔走する『太平洋奇跡の作戦キスカ』…

王道娯楽作品としての『GMK』

もう過日となってしまったが、毎年恒例の「『ゴジラ』第一作が封切られた11月3日に必ず『ゴジラ』映画を観る」で、今年チョイスしたのは『ゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃(GMK)』! 地元広島ムービーの『こいのわ婚活クルージング』と“弩ハマリ”…

訳あり『ファンタスティック・フォー』

かの昔、アメリカのアニメで邦題『宇宙忍者ゴームズ』ってのがあって、キャラクターの一人“ガンロック”の「ムッシュムラムラ」ってかけ声が、今も耳に残ってるんだけど、そのアニメのハリウッド実写版が、今回の『ファンタスティック・フォー』。 この『ファ…